「煤払い」は「煤掃(すすは)き」ともいわれ、正月を迎えるにあたって、十二月十三日に家の内外を大掃除することをいいます。この煤払いが、十二月十三日に行われるようになったのは、その日が正月の「事始(ことはじ)め」といって、正月の準備を始める日であったことにちなむといわれています。
そもそも煤払いとは、単なる掃除ではなく、年神さま(歳徳神(としとくじん)ともいわれ、新しい年の五穀の豊作を約束してくれる神さま)をまつる準備のための、宗教的な行事でした。
十三日に煤払いを済ませてしまうと、正月までにはまだ日数があるために、この日は神棚と仏壇の掃除のみを行い、家の内外の掃除は、それ以降の適当な日に行っていたようです。これがやがて、暮れの大掃除という形になっていったのですが、現在では宗教的意味合いはすっかり失われてしまいました。