十月には「神無月」という異称があり、その語源については諸説あります。
例えば、十月は雷の鳴らなくなる月であることから「雷なし月」の意味だとする、江戸時代の国学者荷田春満(かだのあずままろ)の説や、神無月の「無」を「の」と解して「神の月」、つまり神祭りの月の意味だとする説。そして翌月に行われる新嘗祭(にいなめさい)の準備として、新米で酒を醸(かも)す月、つまり「醸成月(かみなしづき)」の意味だとする説があります。
さらに一般的に知られている説として、十月には全国各地の神さまが出雲大社に集まって不在になるところから「神無月」とする、藤原清輔(きよすけ)の「奥義抄(おうぎしょう)」の説があります。しかし、実際には神宮の神嘗祭(かんなめさい)を始め、全国各地で神社の秋祭りが盛んに行われています。神さまは、常に神社においでになるのです。