「祈年祭」は「としごいのまつり」ともいい、毎年二月十七日に全国の神社で行われるお祭りです。ちなみに「年」とは稲を意味し、稲穂を蒔(ま)く季節の初めにあたって、その豊穣を祈願するわけですから、いいかえれば人間の生命の糧(かて)を恵んでくださるようにとお祈りするお祭りといえるでしょう。したがって、一粒の米にも神さまの御霊(みたま)が宿ると考えられているのです。
祈年祭では、稲だけでなく五穀の豊穣と国の繁栄、そして皇室の安泰や国民の幸福なども祈願されます。この日は、宮中の賢所(かしこどころ)においても祭典が行われ、天皇が御親拝になられるということです。