神社で神輿を用いるのは、祭礼にあたっての神幸祭(しんこうさい)のときです。 神幸とは、御神体が本社から御旅所(おたびしょ)(神幸の中継地および目的地となる所、本社や御祭神に由緒のある場所が選ばれる)に渡御(とぎょ)することをいいます。このとき、氏子たちが神輿をかついで各地区を練り歩きますが、そうすることで神さまに各地区をご覧いただくのです。
神幸の途中、神輿を上下左右に振り動かしたりして、わざと荒々しく扱うことがあります。 これは神輿に坐す神さまの「魂振(たまふ)り」で、これにより神さまの霊威を高め、豊作や豊漁、疫病(えきびょう)の退散がなると信仰されているのです。また、海や川に神輿を入れることもありますが、この場合は一種の禊(みそぎ)神事と考えられています。