拍手とは、神様を拝むとき、両手を合わせて音を立てる作法です。音を立てる際、二回、四回、八回と作法により鳴らす数に違いがありますが一般の神社祭式では二拝二拍手一拝と二回打つことで知られています。
三回以下の拍手は、短拍手、短手(みじかて)と呼び、四回以上手を打つものを、長拍手、長手などと呼びます。また神酒をいただく際に一回だけ手を鳴らしますが、これは礼手(らいしゅ)と言われる作法です。また伊勢神宮のように八回鳴らすものもあります。これは八開手(やびらて)と言い古くから最も重い拍手の作法と伝わっています。その他にも神葬祭(しんそうさい)など葬儀の場では拍手を打つ際に音をたてないようにします。これを忍手(しのびて)と言います。
本来、拍手で音を立てる理由は、喜びや歓喜の気持ちを表すためといいます。そのため、故人を悼み偲ぶときに音を出さずに忍手を打ちます。
『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』には、邪馬台国の風習として、倭人は貴人に対して手を打って敬意を表したと記されています。神様や貴い人に相対したときに喜びを表し拍手を打つ作法は、日本の古い伝統です。