家相は人相と同様に、古代中国に起こったもので、方角と間取りの関係、敷地の形や方角、家の形などから吉凶を判断するものです。たとえば、次のように吉凶の判断がされています。
門の前に大きな木があるのは災いを招く。
中庭に樹木や水たまりなどを設けるのは大凶。
古井戸をむやみに埋めると耳目に祟る。
ところで、わが国では凶の方角として、とかく「鬼門(きもん)」が重要視されています。鬼門とは、北東すなわち艮(うしとら)の方角のことで、陰陽道(おんみょうどう)では諸鬼の出入りする危険な所として、万事に忌み嫌われています。かつては、その方角に「鬼門除(きもんよけ)」といわれる神仏を祀(まつ)るなどして、災いを防いだようです。今日でも鬼門にあたる方角には、便所や出入口を設けることを忌む風習が残っています。また、鬼門の反対の方向である南西すなわち坤(ひつじさる)は「裏鬼門」といわれ、台所や浴室を設けることが忌まれています。