上棟祭(じょうとうさい)とは何のお祭りですか

出張祭典

 家の柱立てを終えて、棟木(むなぎ)を上げるにあたり、工事安全と建物の堅固長久を祈念する祭儀を「上棟祭」あるいは「棟上(むねあ)げ」といいます。
 中央の柱に御神名、(屋船久久遅命(やふねくくちのみこと)・屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと)・手直帆負命(たおきほおいのみこと)・彦狭知命(ひこさしりのみこと)・土産神(うぶすながみ)など)を記した棟札(むねふだ)をつけ、屋上と屋下に祭場が設けられて、神籬(ひもろぎ)が立てられます。そしてさらに棟木には、魔除(まよけ)のための上棟幣(じょうとうへい)と作り物の弓矢、扇などが飾られます。
 祭儀は、まず修祓(しゅばつ)のあとに降神(こうしん)を行い、次に神饌(しんせん)が供えられて、神職(しんしょく)が祝詞(のりと)を奏上します。そして曳綱(ひきつな)(棟木を棟に上げること)、槌打(つちうち)(棟木を棟に打ち固めること)と続き、災いを祓(はら)うために散餅銭(さんぺいせん)(餅や銭を撒(ま)くこと)を行います。このあとに玉串(たまくし)を奉りて拝礼、撤饌(てっせん)、昇神(しょうしん)が行われます。しかし、一般的には略儀として、棟木を上げた後に、その下に祭場を設け、修祓・降神・献饌・祝詞奏上・棟木に切麻を散じ、玉串を奉りて拝礼・撒撰・昇神を行います。
 祭儀終了後には、工事関係者に御祝儀を配ったり、近所の人々に対して餅撒きをする地方もあります。